はじめに:
16の性格についての記載は全て「16personalities (https://www.16personalities.com/)」から抽出しています。要約や和訳時の意訳はありますが、特に表示がある場合を除き筆者の個人的な意見は含まれていません。
「領事」タイプの性格はあとで述べますが、今回は面白いケースに実際に遭遇しましたのでそれについて書きたいと思います。
「領事官」タイプであってもあらゆる環境でそうかというとそうではなくある程度のグラデーションはあるかと思います。今回は不完全な「領事官」タイプを「表面上の領事官」として捉え、以下のようなケースを扱います。
- 「領事官」タイプの振る舞いをすることでうまく社会を乗り切ろうとする
- もしくは環境によってはうまく「領事官」タイプとして振舞うことが難しい
見方によっては、別の分析もあるのでしょうが、今回は16personalitiesに当てはめて分析してみます。
領事官型とは?

「領事官」とはどういった性格の持ち主なのでしょうか。
「領事官」は16personalitiesでは、「番人」カテゴリの4つのうちの1のタイプになります。
「領事官」は社交的で人々に手を差し伸べる思いやりのあるタイプです。一方で、地位や評判への執着度が高く、そのためか自分の得意フィールドの外に出ることを嫌います。
- 安定性と安全性を重視:安定確保のため、調和を求め、他人の感情を深く気遣う
- 他社との繋がりが得意:社会で積極的な役割を果たすためのコミュニケーションが得意。社交的ルールに従う
- 身近な人々の世話に喜びを感じる:日常業務や定期的なメンテナンスのスキルが高く、身近な人々が適切に世話されていることを確認することに喜びを感じる
- 社会的な期待からの責任感が強い:強い責任感から義務を果たそうと努めるが、これは本質的な動機よりも社会的期待からによる
- 地位や評判への固執:地位や評判へ固執すあまり、創造性や他人への配慮が制限されてしまう可能性がある
- 自分に快適ゾーンから出たくない:社会的な地位や評判を守るため、未経験や不得意ゾーンへ出ることはない
- 批判に弱い: 自分のやってきたとこや信念を批判されると、非常に防御的になって傷つくことがある
- 他人からの評価を欲求:努力や成果の価値を他人に認めさせたいため、他人へ自分の評価を欲求する程度が強い場合がある。そういった行き過ぎた言動は結果的に他人から歓迎されないもとなる場合がある
表面上だけ「領事官」エピソード:筆者の経験から脚色して作成
表面上だけ「領事官」の一端を分かりやすくエピソードとして書きます。
Aさんは外注発注元、「表面領事」さんは外注発注先です。

Aさん、お困りであればその部分の仕事は私ですべてやりますので、お任せください。
得意な領域ですので。
(Aさんの不得意領域なので、こちらの思い通りにできるはず。)

この領域で有名な「表面領事」さんにお願いできるのはありがたいです。
よろしくお願いします。
いずれこちらで引き取りますので。
「表面領事」さんの仕事は表面上うまくいっていたようでした。
数か月後、Aさんから指示を受けたBさんは「表面領事」さんの仕事を引き取るために作業を始めます。
ノウハウを社内に蓄積することで品質高い運用へ変えるだけでなく、毎月の「表面領事」さんへの支払いを無くしたい意図もあります。

「表面領事」さん、私の方で引き取るので、必要な引き継ぎ資料を提出していただけますでしょうか。どういいった意図目的でそれぞれの対応をされたかの企画部分もお願いします。

表があるのでそちらを見てください。
(企画とかそういうの作ってないんだよなぁ。今までの経験で作業したので。。
私の今までの実績や評判で信用してほしいなぁ。)

(企画書はなしか。表だけだとどういった目的でそれぞれの作業をしたのか分からないな。。そもそも企画なしで作業したのであれば品質面もあやしいなぁ。まいったなぁ。)
そうですか。では、私の方で企画を遡って作成し、作業いただいた内容の再確認をしますね。
では、○○でされた具体的な作業内容を教えてください。
△△でされた内容ですが、こことあそこは不要のように思えます。意図を教えていただけますでしょうか。

○○の作業はここのウェブサイトを見てください。ほとんど同じことをしています。
不要とのことですが、実際そうなっているので詳細は分かりません。
(発注を継続してほしいので、Bさんには申し訳ないがノウハウは渡さずやりすごそう。でもAさんと違ってBさんはこの領域の経験者みたいだ。まずいなぁ。)

ありがとうございます。
(いいかげんだなぁ。こうなるとすべての作業があやしい。
それに、○○のウェブサイトって一般の方が書いた一般的な内容だし、企画がないから不要かどうかも分からない。。)
表面上だけ「領事官」考察:筆者見解
表面上だけ「領事官」エピソードはいかがだったでしょうか。
「表面領事」さんは一般的なコミュニティの中では、困っている人に世話を焼く思いやりのある振る舞いをしていました。コミュニティの中で信頼度も高いし、価値を認められているのでしょう。しかし、それは責任の伴わないコミュニティの中でしか通用しません。
コミュニティの外で業務契約をする場合、一般コミュニティでの行っていた責任の伴わない言動では乖離がでてしまいます。
つまり、表面上だけ「領事官」タイプか否かの差は、環境に合わせて「領事官」タイプとして振舞えるかどうかだと考えることができます。差といってもグレイな部分含めて表面上だけか否かの分類は実際は難しいかもしれません。
別の考え方として、一般コミュニティは「表面領事」さんが仕事を得るための営業活動に利用していただけにすぎないのかもしれません。営業活動の一環だと考えれば、そういった言動に問題はないでしょう。
問題があるとすれば以下の点です。
- 業務契約は責任が伴う:
コミュニティの中で世話を焼く場合はボランティアなので何ら責任は生じません。しかし業務契約ではそうはいきません。契約書に記載ない場合もあるかもしれませんが、一般的な責任を果たさないと信頼を失いかねません。 - 正直誠実:
得意領域へのこだわり過ぎによる他領域業務の回避は「領事官」タイプでは典型的なのかもしれません。しかし、それを正直に自己開示する場合と誤魔化して逃げる場合では、相手からの信頼に大きな差がでることでしょう。
では、こういった表面上「領事官」タイプとうまく付き合うにはどのようにすればいいのでしょうか。
- 「領事官」タイプを快適ゾーンから駆逐しない:
「領事官」タイプは、社会的な地位や評判を守るため未経験や不得意ゾーンへ出ることを嫌います。したがって、「領事官」タイプと付き合う場合、快適ゾーンから駆逐したり、快適ゾーンで「領事官」タイプを凌駕するような言動は避けるほうが賢明です。
「領事官」タイプにパフォーマンスよく仕事をしていただくよう配慮が必要です。 - 「領事官」タイプへの具体化した依頼内容で依頼する:
批判に弱く不得意領域で仕事をしたくない「領事官」タイプに依頼する場合は特に、具体化された依頼内容や成果物についてあらかじめ合意形成を図っておくとよいでしょう。
責任範囲が明確になるだけではなく、「領事官」タイプの嫌う不得意領域の作業を範囲外にすることも可能でしょう。もっとも「領事官」タイプの反応によっては依頼自体を見直すべきケースもあるかと思われます。
~ おしまい ~
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