やっかいな「管理者(ISTJ)」

16personalities
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はじめに:
16の性格についての記載は全て「16personalities (https://www.16personalities.com/)」から抽出しています。要約や和訳時の意訳はありますが、特に表示がある場合を除き筆者の個人的な意見は含まれていません。

「管理者」は16personalitiesでは、「番人」カテゴリの4つのうちの1のタイプになります。

「管理者」は秩序を重んじる誠実で責任感のあるタイプです。一方で、融通がききにくかったり建前より本音を話過ぎたりと少しおカタい言動に出ることもあります。

今回は筆者の経験からやっかいな「管理者」との職場での対応方法について書いていきます。

管理者型とは?

「管理者型」の良いところ
  • 正直で率直:様々な状況の現実をとらえてシンプルに管理したい思い
  • 責任感が強い:約束した人々や組織に対して献身的、忍耐強く自分の義務を果たす
  • 冷静で現実的:他人だけではなく自分にも合理性や効率性を追求
  • 秩序であるべき:事実の正確な理解、それに基づいたルールは目標達成の近道
  • 何でも屋:ジブンゴトとになれば、様々な状況で困難に立ち向かう

「管理者型」の良くないところ
  • 新たなアイデアに対する抵抗心:事実を見極めるまで時間がかかったり抵抗行動をしてしまう
  • 感情的に鈍感:「誠実で正直であるべき」を他人に押し付けることで他人の感情を傷つけてしまう。また事実を認めない人は尊重しない。
  • 規範がないもしくはその質が低いと思考停止:構造化されていない環境ではマヒ
  • 今を大きく変える改善を無視する傾向:成果を上げることができなくなるだけではなく、自身に責任を感じてしまう。

やっかいな「管理者」とそうではない「管理者」はどのように違うのでしょうか?またどうしてそうなってしますうのでしょうか?

「良い管理者」と「良くない管理者」を対比させることでそのカラクリを探っていきたいと思います。「管理者」と行動を共にする際の皆様のお役にたてるならば幸いです。

以降の内容はいずれも筆者見解になります。「16personalities (https://www.16personalities.com/)」で主張がなされているわけではないことを申し添えます

走りながら考える 何だそれ?

「管理者」は秩序を重要視する傾向が強いです。秩序の基準をどこに置くかによって「良い管理者」「良くない管理者」が分かれると考えます。

まず「良い管理者」について考えていきます。「良い管理者」は、高い視座で組織の全体最適の秩序を目指します。そのため能動的で戦略的なアプローチであることが特徴です。

一方「良くない管理者」は、小さな組織や案件ごとでの個別最適の秩序を目指します。そのため受動的で行き当たりばったりなアプローチとなる場合が多いです。

「走りながら考える」という言葉があります。まず行動をし、併せて調整を行うことで成果を目指すスタイルです。特にビジネスで重要とされる効率性やスピードを第一に考えたスタイルとも言えます。

実はこの「走りながら考える」という言葉には落とし穴があります。全体を俯瞰した「戦略」を練った上で、走りながら「戦術」レベルで調整していくというのが正しい意味でしょう。

「良い管理者」と「良くない管理者」の違いは、「戦略」があって走っているか「戦略」なく行き当たりばったりで走っているかの違いとも言えます。

「良い管理者」は能動的で戦略アプローチをする

前述したように「良い管理者」は全体最適を目指します。全体最適はケースにもよりますが、困難で苦労をする場合がほとんどでしょう。全体最適を実現しようとすると個々の弊害に対峙しないといけません。全体最適が行われることで、以下のような危惧を感じる個々人は抵抗勢力となる可能性を秘めています

  • 自分の仕事がなくなる・増えるといった心配
     :プロセス簡略化や併合による仕事の消滅や増加
  • 自分の価値が損なわれるのではないかといった心配
     :方法の変更による得意スキルが生かせなくなる
  • 今までのやり方を変えたくない・新しい方法やスキルを学びたくない
     :DX化による手作業からツール作業への変更

個々の弊害はそれら同志が密接に関わっている場合もあるでしょう(こちらを立てればあちらが立たず)。どのように対応すればいいのでしょうか。

「良い管理者」は全体像を描き組織として全体最適メリットを描きます。そして実現するための問題を明らかにし、それらの解決手段を考えます。解決手段をすべて実行できれば完成となるわけですが、個々の解決手段は問題や他手段との依存関係から実行時期が異なります。

全体像、問題と呼応する解決手段を時系列に並べれば計画の出来上がりです。戦略策定完了です。

目的や手段実施時期の全体像が提示されれば、前述の「危惧を感じる個々人」は準備をすることができるでしょう。彼ら彼女らが全体最適化の支援を行う側にまわってくれる可能性も出てくるでしょう。

全体像、組織メリット、解決手段手段実行時期を明らかにすることで、個々の弊害リスクを最小限に抑えようとするのが、「良い管理者」の能動戦略的アプローチです。これは解決手段を実行する当事者メンバとしても受け入れやすい内容となると思います。

では、「良い管理者」が行う「走りながら考える」はどのようなかたちになるのでしょうか。

戦略的な計画のもとで実行するとはいえ、個々の実行解決プロセスでは様々な予期せぬ問題は出てくるでしょう。その場合、新たな問題は新たな解決手段を実行計画として戦略計画に組み込んでいくことになります。そうすることで取りこぼしや放置が発生することはないでしょう。これが「良い管理者」の行う「走りながら考える」です。

仕事等でいっしょに活動するならぜひ「良い管理者」とそうしたいものですね。

「よくない管理者」は受動的で行き当たりばったりなアプローチをする

「良くない管理者」は受動的で行き当たりばったりなアプローチをしてしまいます。どういった理由でそのようになってしまうのでしょうか? 理由は様々にあるでしょうが「管理者型」特有の以下のようなケースが考えられます

  • 外部環境や社内からの圧力が強すぎてコントロール不能になってしまっているが責任は果たすべきと考えてしまう
  • 秩序であるべき状態でないときがすまないが、それを手元で早くやってしまいたいと考えてしまう
  • ルールや規範がないため思考停止に陥ってしまっている。もしくは経験や知識のない領域で何をしてよいか分からなくなってしまっている

こうなってくると「管理者」のよくないところが露出していき事態は悪化していくでしょう。

問題や効果を考えることなく個々の案件を解決していくスタイルにならざるを得ないのではないでしょうか。

個々の案件だけを見れば秩序が成立しています。しかし全体を俯瞰したときにはチグハグ感がでてしまうのです。あのケースはこう、このケースはこう、新たなケースはこう と全体で見れば混乱を招きかねません。

特殊ルールが山のようにできていく一方ですべてを知っているのは「良くない管理者」のみという属人化状態。これでは非効率性が増していき、全体最適とはほど遠くなるでしょう

「良くない管理者」の「走りながら考える」は戦略なき行き当たりばったりにならざるを得ません。場面ごとに個別最適の解決をしていくのですから、全体での整合性は破綻してしまいます。さらに取りこぼしも放置されてしまうことになります。

何よりも「良くない管理者」の悪いところは秩序を重視するあまり整合性破綻を指摘されることを回避します。これでは「良くない管理者」と行動をともにしたくないと考えるの自然でしょう。

やっかいな管理者と行動を共にする場合にすべきこと

もし「やっかいな管理者(良くない管理者)」と一緒に仕事をしないいけなくなった場合はどのように対処すればよいのでしょうか。上司や同僚にこういったタイプはいないとも限りません。

仕事の「範囲明確化」「コミュニケーションの最小化」をすべきと思います。逆にしてはいけないことは「秩序の破綻や不整合の指摘」です。冒頭に書きましたように「管理者タイプ」は秩序をとても重視しています。

まず「良くない管理者」と自分の仕事範囲の明確化とその合意しましょう。範囲の明確化ができれば、その中で能動戦略的なアプローチをとれると思います。そうです、「良い管理者」のパターンを実践していくのです。

「コミュニケーションの最小化」をする理由は何でしょうか

戦略計画や解決手段の実施の中には「良くない管理者」が引き起こした不整合を正常化することで全体最適に向かうものもあると思います。しかし、その問題や解決手段について細かく「良くない管理者」に伝える必要はありません。「秩序の破綻や不整合の指摘」を嫌がる「良くない管理者」をそれをすることで人間関係の正常維持ができなくなる可能性があるからです

「コミュニケーションの最小化」によりこれを防ぎます。

戦略計画と実行を行い「走りながら考える」で個々の不測問題は柔軟に調整していく。「良くない管理者」が招いた秩序の不整合は「良くない管理者」に伝えることなく正常化させていく。この対処が良いと思います。

秩序の不整合を招いた「良くない管理者」はそのままでいいの?と思われるかもしれません。

そのままでよいです。罰を与える必要もありません、自身で改善しなければ自滅するだけです。

~ おしまい ~

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