はじめに:
16の性格についての記載は全て「16personalities (https://www.16personalities.com/)」から抽出しています。要約や和訳時の意訳はありますが、特に表示がある場合を除き筆者の個人的な意見は含まれていません。
巨匠・名手型とは?
「巨匠・名手」とはどういった性格の持ち主なのでしょうか。仕事等で相対するケースがでてくるかもしれません。その際に備えて「巨匠・名手」との良い人間関係を築くための準備をしておきましょう。
「巨匠・名手」は16personalitiesでは、「探検家」カテゴリの4つのうちの1のタイプになります。
「巨匠・名手」は合理主義的かつ現実的な一方で、好奇心旺盛でもありすぐに思いついたことはすぐに試したくなります。創造的で実用的なところは様々な分野で活躍できますが、頑固であったり他人への配慮の優先順位が下がる傾向も持ちあわせます。
「巨匠・名手」とうまく協力ができるケース:筆者見解
「巨匠・名手」の特性は、とんでもないピンチな状況やここ一番問題を突破したいときに頼りになりそうです。「巨匠・名手」とうまく協力ができるのはどのようなケースでしょうか。
ケース1は危機状況な稀かもれない場合です。突然出てくる創造力といった場合もあるとは思いますが、常日頃から合理的かつ実用的なアイデアを考えている「巨匠・名手」はこの危機を突破できる可能性が他よりも高いと言えます。テクノロジー企業におけるCTOといったポジションはこういった方が多いのではないでしょうか。
商品企画、技術開発におけるアイデアの実現性可否を図る、もしくは実現させていくといったPoC(Proof of Concept:概念実証)のステージは「巨匠・名手」の腕の見せ所と言えます。それがケース2です。「巨匠・名手」は創造力を背景に自ら手を動かし試行錯誤していくことができます。
PoCとは
PoC(Proof of Concept:概念実証)とは、新たなアイデアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証することです。これによって事前に検討したアイデア/コンセプトの実現可能性を見極め、期待した効果が得られると判断できれば実プロジェクトを進めていくという形が一般的です。
たとえば新規性の高いビジネスを立ち上げる、あるいは革新的な技術を利用するといったとき、本当にそれが実現できるのか、それによって効果が得られるのかを机上の議論のみで判断するのは困難です。そこで実際に小規模で試作や実装を行い、できあがったものを用いて検証を行うことにより、実現可能性の判断の精度を高めることが可能になります。
https://www.ntt.com/bizon/glossary/e-p/poc.html#:~:text=PoC%EF%BC%88Proof%20of%20Concept%EF%BC%9A%E6%A6%82%E5%BF%B5,%E5%BD%A2%E3%81%8C%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%9A%84%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
3はセンメルヴェイス反射(引用参照)のような事例の問題解決を「巨匠・名手」に頼るケースである。通説や常識を前提にすると原因究明が困難な場合、恣意的な一部の人間の言動によって原因が隠されてしまっているような複雑化した問題について、「巨匠・名手」は偏見なく客観的な視点から解決に導くことが期待されると考えられます。
センメルヴェイス反射(Semmelweis reflex)は、通説にそぐわない新事実を拒絶する傾向や常識から説明できない事実を拒絶することを指す。
オーストリアのウィーン総合病院産科に勤務していた医師センメルヴェイス・イグナーツは、出産した母親が産褥熱という病気にかかって死亡する原因が、分娩を担当する医師の汚れた手が原因であることに気づいた。センメルヴェイスはその予防法としてカルキを使用した手洗いを提唱し、産褥熱による死亡を劇的に減少させることに成功した。
しかしセンメルヴェイスの発見は多くの医師たちの反感を買うことになった。多くの医師たちは長年行って来た自分たちのやり方が、大勢の母子の死に関与していたというセンメルヴェイスの指摘を批判した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B9%E5%8F%8D%E5%B0%84
「巨匠・名手」と緊張が生まれるケース:筆者見解
合理的かつ実用的なものを生み出す創造力を持つ「巨匠・名手」ですが、ナチュラルな頑固や鈍感さから周りに緊張感をもたらしてしまう時もあります。そうならないようにするには、どのような対処をすればよいのでしょうか。
「巨匠・名手」と衝突してしまうケースは、「巨匠・名手」の外向きの対応に起因する場合が多いように思われます。
「巨匠・名手」は内向的の分類に入りますが、才能と悪気のない天然さ(?)から、周囲とうまくいかないケースもあると思われます。
決まった計画の元にチームで進んでいるプロジェクトで「巨匠・名手」は突然にプロジェクトの範囲外のことや、根本的な問題を指摘するような場合があります。それが1のケースです。しかし意外にもそれらの発言は的を得ていたりするのは「巨匠・名手」らしいところです。とはいえ、プロジェクトマネジャーは困ってしまいますし、根本的な問題が会社の規程や経営戦略だと言われると周りは固まってしまうのではないでしょうか。「巨匠・名手」に対しては、常日頃からコミュニケーションをとることで、「巨匠・名手」の素晴らしいアイデアを展開する場や機会を周りが用意するのが良いのではないかと思います。
時として「巨匠・名手」の秀逸なアイデアは既存仕組みや設計を駆逐する場合があります。それ自体は悪いものではなくむしろ改善革新の実現につながることです。しかし、問題なのは既存の仕組みやそれを考案した人やチームへの配慮が欠けてしまう点です。これが2のケースです。「巨匠・名手」の共感性の弱い鈍感なところは、こういった点で思わぬ敵を作ってしまったり、人の心を傷つけてしまうおそれがあります。「巨匠・名手」がこういった鈍感さを露呈してしまう場合、周りは既存の仕組みを考案や導入したメンバに配慮の言動をするとよいかと思います。あらゆる面で「既存の仕組み」が「新しい仕組み」より劣るということはないと思います。
「巨匠・名手」が開陳するアイデアはその時は素晴らしいと思えても、実行後あとになって結果として実施すべきではなかったということがあるかと思います。人は目の前の問題にばかり気をとられてしまい全体が見えなくなる場合があります。そのタイミングで「巨匠・名手」が問題解決の案を出してくればそれに乗っかってしまうのも道理です。しかし、目前の問題解決はできるがそれ以上の悪影響がでてしまうこともあります。それが3のケースです。コストを抑えるため古くても安価なクルマに乗り換えたが、修理費がかさんで結局高くついてしまったみたい話でしょうか。「巨匠・名手」のアイデアは周りやチームでよくよく吟味することが大切だと思います。
いずれにしても「巨匠・名手」がチームや組織に貢献できるよう周りで配慮していくというのが対処方法になるのではないかと考えます。
「巨匠・名手」とスタートアップ:筆者見解
もちろん個人的な見解なのですが、「巨匠・名手」はスタートアップのCEOやCTOでよく見かけるような気がします。その場合、周りがどれだけ「巨匠・名手」を支えることができるのか、「巨匠・名手」は周りにどれだけ配慮できるのかといったところが気になります。
「巨匠・名手」のタイプとはいえCEOやCTOという立場の方々ですので、決して悪意があったり個人的な理由で言動することはないと期待したいです。
~ おしまい ~
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